こたに医院 | 日記 | 円周率パイ＝３

その話を、初めて聞いたときは、びっくり
しました。
１９９８年、完全週休２日制が実施された
あたりですから、もう、１５年くらい前の話
でしょうか？
円周や円の面積を求めるのに、必要な
円周率パイを、ただの「３」にしようという
のです。
３というのは、そのまま、受け止めると、
「有理数」つまり、分数で表わされる数字
です。
もっと、はっきり言うと、周囲が（外接する）
円の直径の３倍（半径の６倍）と言うのは
正三角形を６個、組み合わせた六角形の
外周のこと。
円周率は、ｎ角形のｎをどんどん、無限大に
近づけることによって計算上桁数が増えて
いく数。
だから、分数の形にはできない「無理数」。
円周率パイは中学生が生まれて初めて出会う
「無理数」なんです。
（他には、たとえば、２の平方根＝１．４１４２とか
もあります。）
そのとき、中学生は何か宇宙の不思議のような
ものを感じてほしいのです。
なぜなら、円は宇宙全域に共通する図形であり、
円周率パイは宇宙の数なんです。

ゆとり教育って、日教組が言い出して、当時の
文部省が受け入れる形で、始まったことの
ようです。
詰め込み教育を止めて、ゆとりの生活をさせて
あげようという、押しつけがましい親心だったの
でしょうか？
でも、こころのゆとりなんて天から降ってくるように
与えられるものではないでしょう。
まして、文部省から、もらえるはずもないと思うの
ですが、僭越ですが、やっぱり、日教組や文部省の
ゴーマン？
それにしても、そのこころのゆとりと、数学の時間の
「円周率パイ＝３」にしてしまうという政策との関係が、
当時も今も分からないのです。
３．１４でなく、３と記憶した分、時間が節約できたから、
たった、その程度のゆとりのことを言っていたのですか？

結局、１０年経って、このゆとり教育は廃止されました。
海外の学力比較で、信じられないくらいの順位になって、
慌てての廃止だったですよね。
で、今度はゆとり全廃で、また、詰め込みですかい？

まあ、いろんな、日本の若者を作り出すのは、社会の
多様性という点では、面白いですが。

ゆとりは、こころの問題。
夏休み、汗だらけになって、真黒に日焼けして、遊んで
ほしいな、子どもたち！
宿題なんて、半分できたらええんやで。