こたに医院 | 日記 | 台風の季節。

遥か南方、フィリピン近辺で、熱く焼けた
大気が空に向かって、急上昇して、気圧
が下がり、熱帯の海の水分をたら腹吸い
込んで、はい、台風一丁、出来上がり。
偏西風に乗って、太平洋高気圧の縁を
縫うように、日本近海に近づきます。
強い風に大量の雨。
夏の終わりから、秋の初めにかけて、
稲の穂もずっしりと重くなってくる頃。
秋の恵みをあざ笑うかのように、この国
を嘗め回して行くのです。
もちろん、雨一つとっても、決してマイナス
であるばかりではありません。
次の恵みをもたらしてくれる水なのですから。

大陸と太平洋の間のこの国では、気圧と
偏西風の微妙なバランスで、台風でも、理想
のコースがあります。
今回の台風12号は、偏西風が、北の方にずり
上がっているため、いつもの台風とは違った
コースをたどっていること、あと、その上、あまり
にも、ゆっくり移動していて、雨の被害も相当の
ようです。

でもね、この台風。
昔は、大風って呼ばれて、恐れられていました。
なぜって、天気予報もなかった時代、突然、吹き
荒れるのですから。
気象衛星も、レーダーも何もない訳ですから。
怖かったでしょうね。
特に、漁師さんたち。
「板子一枚下は、地獄」
まさに、その通りでしょう。