こたに医院 | 日記 | なぜ、31人もの人が亡くなるのか?

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こたに医院 の日記

なぜ、31人もの人が亡くなるのか?

2011.09.05


暴風の範囲が巨大で、速度が自転車並み
だった台風12号は、各地の時間降雨量の
記録を塗り替え、9/5 朝の時点で、すでに、
31人の人が亡くなり、54人の人が行方不明
になっています。
南の海上で、発生してから、1週間あまり。
初め、もう一つ、台湾方面に逸れて行った、
別の台風11号と並んで、北上。
確かに、迷走しました。
太平洋上の水分を、たっぷり吸い上げて、
水でどぼどぼのスポンジ状態で、いきなり、
日本列島に叩きつけられたのです。
亡くなっ方の多数が、土砂崩れや川の増水
氾濫で、自宅にいたまま、だったみたいです。
避難指示も勧告も出されていなかったとの
ことです。
ニュースでは、市町村の防災担当者が、
上からの指示もなかったし間違ってはいないし、
「想定外」の災害だったから。
と、すでに、自己正当化、防御態勢です。
けれども、防災のシステムや、国や市町村の
責任関係が、問題なのではなく、目の前の川
や山の状態を見て「これはヤバいぞ」「危ない」
と思える想像力って、ないのでしょうか?
今回の台風被害にあった、市町村の担当者の
職務怠慢や能力不足、システムの欠点を議論
したり、非難している積もりはありません。
彼らなりに、よかれと思って、精一杯のことを
されてたのでしょう。
が、実際、31人もの方が亡くなっているのです。
この国で。
中には、結婚が決まっていて、結納を済ませた
当日、その娘さんが洪水で流され、家族も自宅も、
すべて、流された町長さんもいてはりました。

そんな中、東大の地震研究所の助教の女性が、
東日本大震災について、コメントされていたのが、
耳に残りました。
3月11日の地震後、東大の地震研究所には、
たくさんの電話やメールが殺到したそうです。
そのほとんどが、地震の予知ができてないこと
への非難や批判だったそうです。
彼女は、的確な表現で、問題の在処を指摘します。
病気と患者さんに、例えながら。
以下、覚えている内容のみ、書き上げてみます。

地震の研究は、いわゆる未知の病気の治療に
似ています。
両方とも、その存在は分かっていても、仕組みは
もちろん、解決方法も未解明なのです。
けれども、分かっている範囲でも、何とかしてあげ
たいと思って、完全な解決前でも、分かっている
だけの対策や治療を始めたいのです。
ですが、病気の場合は、その解決途上でも、それ
なりに了解してもらえても、地震の場合、被害が
起こる度に、研究者の努力不足・怠慢にされて
しまうと言うのです。
ですから、と彼女は続けます。

「地震予知の問題も、病気同様解決途中であっても
 少しでも、役立ちたいからと、分かっているだけ、
 できることだけ、着手しているという事実を国民の
 皆さんには理解してほしいのです。」

科学というものの目覚しい結果ばかり、目を向けない
で、できること、分かっていることの毎日の積み重ねを
認めてほしい。
できないことを非難せずに、できることを認めてあげて
ほしい。
自分も、その通りだと思います。

今回のような、悲しい出来事は、身内でもなく、ただ
聞いている自分たちも、つらいです。
台風、洪水や山崩れで、二度と、こんなに多くの人が
犠牲にならないような対策を、早急に立ててほしいの
です。

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