こたに医院 | 日記 | やばい「やばい」の話。

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こたに医院 の日記

やばい「やばい」の話。

2011.09.14


昼下がり、残暑で暑い神戸の街を歩いていて、
ケーキ屋さんのそばに通りかかったら、ちょうど
すれ違いの若い女の子のグループが叫んで
いました。
「このモンブラン、やばくない?」

おじさんとしては、主語の「このモンブラン」が
そのお店のケーキの一種であり、おいしそうで
あることは分かりましたが述語の「やばくない?」
って、何なんだ?と思い、ふと、その女の子たち
の表情を見ると、食品として傷んでいて「危ない」
のでも、高カロリーでメタボリック症候群の人に
は「よくない」のでもなく、ただ、うっとりとしている
のです。
つまり「やばい」という形容詞が本来持っていた、
否定的な意味は、逆に、強い肯定の意味に転換
してしまっているのです。
素晴らしい「言葉の錬金術」です。
この国の言葉以外でも、外国でも、起こる現象です。
(すぐに、事例を挙げることができず、申し訳ありま
せんが。)

ただ、この言葉の逆転を「日本語の乱れ」と考えず
に、新しい、若い集団が、日本語の世界に流入して
来る際に引き起こした渦巻きのようなものと考えて
ほしいのです。
こうした「新しい血」が絶えず、日本語を活性化して
刺激して、破壊して、創造していくのです。
だから、もともと「盗賊・香具師の隠語」で、「不具合
のさま。危険であるさま」を表わし、「やばいぞ。とん
ずら(逃げること)だあ!」とか、使われていたであろう
「やばい」が、2011年「モンブランケーキのおいしそうな
有様」を言い表しているというのも、楽しいじゃないですか、
ねえ。

これから、ぞくぞくと登場する若い「日本人」が、どんなに
びっくりするくらいの新しい「日本語」を作り出してくれるか、
わくわくするくらい、楽しみです。

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