こたに医院 | 日記 | 光よりも、速く。

１９世紀の終わり、物理学での混乱が起こり
ました。
それは、光の速度に関しての実験で、それ
までの定説を覆す結果が、実は、物理学の
根底に関わる問題を提起したのです。
つまり、その当時、光は「エーテル」という仮想
の物質中を伝播するとされていたため、地球の
赤道に沿った（西→東の）光の速度と直交する
（南北の）光の速度は異なるはずでした。
ところが、実際の測定結果も、マクスウェルの
方程式からの結論も、真空中の光の速度は、
不変でした。
その矛盾を説明するため、アインシュタインは
光の速度は不変とした上で、むしろ、光の速度
に近い（無視できない）速度で移動する物体では
時間そのものが遅く進むとすることで解決しました。
そして、理論的には、もし光の速度と同じ速度の
物体があれば、時間は停止するのです。
これが、アインシュタインの相対性理論です。
当時の物理学は、この考え方を前に賛否両論、
真っ二つに分かれたのは当然です。
けれども、有名な式「E=mc2」（cは光の速度）つまり、
このアインシュタインの結論の一つである、質量と
エネルギーの等価性が、核分裂の際の質量欠損が
大量のエネルギーの放出を説明しアインシュタインは
原子爆弾の可能性を予言したかのように喧伝され
ました。

ここまでの話の中で、光の速度（毎秒約３０万キロ）
以上はないと、されていました。
ところが、先日、スイスにある欧州合同原子核研究機構
CERNが、７３０キロ離れた、イタリアの研究施設に打ち
出したニュートリノが、光を比べて、毎秒６キロ早い３０万
６キロだったことが分かった。
これは、上で考えたアインシュタインの理論を覆すもので
「時間の逆行」を意味します。
つまり、タイムマシンです。

大変な事態になりました。
アインシュタインも、びっくりでしょう？
さて、ここで、誰がこの実験結果に筋の通った説明を与え
られるでしょうか？
そこから、次の時代の、新しい２１世紀の物理学が始まる
のですから。
なんだか、ワクワクしてきました。