こたに医院 | 日記 | 2011年、ノーベル医学生理学賞。

「なんだか、しんどい」「少し、休みたい」そんなときの「街の保健室」です。

Top >  日記 > 2011年、ノーベル医学生理学賞。

こたに医院 の日記

2011年、ノーベル医学生理学賞。

2011.10.03


今年度のノーベル医学生理学賞は、3人の
免疫学者に与えられました。
免疫の仕組み、まだ、十分解明されては
いませんが、獲得免疫(adaptive immunity)
と自然免疫(innate immunity)について
先駆的な発見をした3人の学者に与えられ
たのです。

ある病気にかかり、その病原体と戦ったあと、
その「兵隊さん」の一部が残って、その病原体
の情報を保存します。
それを、獲得免疫といい、一生、その病原体から
守ってくれる仕組みです。
けれども、新しい病原体が来たとき、全然、情報
がなければ、戦いようがないわけですから、別の
仕組みが必要です。
それが、自然免疫と呼ばれる仕組みで、端的に
言えば、「自己」と「非自己」、自身の体の一部か
どうかを見極め、戦うかどうかの判断をするのです。

この2つの免疫の働きの絶妙の組み合わせで、生物
の体は守られているのですが、中でも、この獲得免疫
の仕組みで、人相書きを伝える伝令の役目やその人相
書きの相手との戦いの準備をさせるのが「樹状細胞」
です。
この「樹状細胞」の働きを解明したのが、ラルフ・スタイ
ンマンという先生です。
この先生は、10月3日のノーベル賞の発表を待たず、
3日前、9月30日、膵臓癌で亡くなっていました。
ノーベル賞の歴史でも、初めてのことで、過去、発表
後、数日で亡くなった方がいただけで、ノーベル賞自体
物故者には与えられないという決まりもあるのです。
とは言え、たった3日間。
それに、ノーベル賞は、発表前の秘密保持には定評が
ある賞でもあり、また、受賞発表の瞬間、受賞者がどこに
いるかの確認もしない訳ですから、直接、受賞者の生死
確認もしていません。
結局は、賞の委員会の個別判断に委ねられて、発表通り
受賞となりました。
よかった、よかった。

日記一覧へ戻る

【PR】  赤帽 ブルーノート運送  キュリオステーション広島緑井店  希楽 鍼灸マッサージ院   美術教室 AOP   有限会社荻原建設