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こたに医院 の日記

ブータンという国。

2011.10.14


GNHって、知っていますか?
Gross National Happiness 国民総幸福と
いう尺度で、GNP 国民総生産 との比較で考え
出されたものです。
その尺度を最大限に、国の政策面にまで取り上げ
憲法にまで明記した国が、立憲君主制のブータン
王国です。

ブータンは、中国とインドにはさまれた、全国土が
日本の九州ほどの王国です。
チベット仏教が国教で、1971年に128番目の加盟
国として、国連に参加しました。
2006年からの、第5代国王は、31才。
訪問先のタイで写真集が出版されるほどの、いわゆる
「イケメン国王」です。
最近、飛行機のパイロットを父に持つ一般女性と結婚
しました。

その現国王の父が、憲法を制定、GNHを徹底しました。
そして、現国王下、国勢調査の中で「あなたは、幸せか?」
との質問に対して、なんと9割の国民が「幸せだ」と答えた
とのことです。
質問の方法や、立会い人や国勢調査の担当者との関係は
不明ですが、極端な結果で、初めて、聞いたとき、びっくり
しました。
また、GNHは、9つの構成要素から成立していて、

1.心理的幸福
2.健康
3.教育
4.文化
5.環境
6.コミュニティー
7.良い政治
8.生活水準
9.自分の時間の使い方

とのことです。
特に、1.心理的幸福は、客観的な、別の指標であるGDP
からは、測れないものであり、正負の感情について、個々の
人びとに尋ねる形式だそうです。
正の感情としては、

1.寛容
2.満足
3.慈愛

負の感情としては、

1.怒り
2.不満
3.嫉妬

で、これら、それぞれの感情を、心に抱いた頻度を、地域別
に聞き、国民の感情を表わす地図を作るとか。
どの地域のどのような立場の人がやさしく満ち足りているか
不満で、不機嫌であるか、一目で分かるらしい。
一度、この日本でも、実施してみてほしいですね。
けれども、そんな単純な話なんでしょうか?
こんな疑り深いこと自体、負の感情と笑われてしまいそうですが。
また、最近、中国の地方都市でも「幸福指数」という考え方を
得意の「5ヶ年計画」にも、導入しています。
貧富の差、経済のゆがみ、都市と農村の解離、多くの歪みが
無視できない状況なのでしょうね。

また、気掛かりのことも、一つあります。
最近、ブータンの首都、ティンプーに、ブータンで初めての、
ショッピングモールができました。
そこには、ブータンで初めての「エスカレーター」も作られて
観光名所になっているとか。
そのニュースに不安になったのは、自分だけでしょうか?
もしかして、このブータンは、これまで、知らずにいられた
欧米や日本の「物質文明」に汚染されて、人びとが、電器
電子機器を求めて、手に入らなければ、不満に思い、手に
入れた隣人を嫉妬して、負の感情が増加するんじゃないで
しょうか?
そんな心配している自分が、変なのでしょうか?

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