こたに医院 | 日記 | 「ヒマラヤの貴婦人」

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こたに医院 の日記

「ヒマラヤの貴婦人」

2011.10.28


78年前に、発見され、その後、一切の報告の
なかった、幻の蝶、ブータンシボリアゲハが、
ふたたび、現地で確認されました。
大人の手のひらほどの大きさがあり、羽に
鮮やかな真紅の模様と、3つの尾があり、
その優雅な姿から「ヒマラヤの貴婦人」と
呼ばれています。
1933年、78年前に採集された標本が5匹、
英国自然史博物館に残されているだけだった
のです。

目を閉じて、思い浮かべてください。
1933年、大英帝国は、インドを植民地として
経営して、時代は帝国主義の真っ最中です。
1910年から、ブータン王国は、独立していな
がら、強国の大英帝国の保護下に入っています。
そのブータンで、新種の黒いアゲハ蝶が発見
されました。
昆虫学者か、博物学者か、誰であったかは、
知りませんが、標高2200メートルの森林で
手のひら大の黒い蝶を見つけました。
そして、その2年間に、5匹の標本を見つけ
大切に、本国に持ち帰りました。
その当時のイギリスは、熱帯の昆虫や花が
珍重され、英国民特有の執拗さで大事に、
保存されたのです。
その昆虫学者の名前を、自分は知りません。
けれども、彼にとって、その蝶を採った瞬間
は、繰り返し、蘇ったことでしょう。
輝かしい一瞬として。
新種の植物や昆虫、動物には、発見者の名前
が記録されます。
命名権も。
78年前、十代であった可能性はありませんか
ら、すでに、100才以上、存命かどうかも知り
ません。
その彼の頭の中で、あの黒い蝶は、ひらひらと
繰り返し、飛び交ったことでしょう。
その光景と、彼の気持ちを思い浮かべるのが
好きです。

78年前のブータン。
そして、昆虫学者。

どんなロマンが繰り広げられたことでしょう?

(ちなみに、このブータンシボリアゲハは、同行
 した、NHKのカメラマンによっても、映像が
保されていて、10/30(日)放映されるそうです。

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