こたに医院 | 日記 | スパコン「京」

有名になったのは、民主党が、政権を取って
すぐの「事業仕分け」
タレント上がりの女性議員が
「（世界１位を目指すって）２位じゃだめなん
ですか？」
とか、発言してから。
一時は計画廃止の危機に直面しましたが
理化学研究所と富士通の当初の計画通り
「京速」世界で一番乗りを果たしたのです。

京（けい）というのは、１０進法で言うと、０が
１６個、つまり、１０の１６乗。
日本の４桁ごとの区切り方だと、万、億、兆
そして、京です。
１秒に１京回以上、実際には、１京５１０兆回の
計算速度を達成した、日本の神戸で作られた
スーパーコンピューター「京」がアメリカで発表
された「世界スーパーコンピューター・ランキン
グ」で前回（６月）に引き続き、首位を守ったの
です。
２位は、中国の国家総力をあげ開発された
「天河１Ａ］で、１秒間に２５６６兆回と「京」の
４分の１に過ぎません。
この、神戸の理化研の「京」の性能がどんなに、
際立った性能であるかが、よく分かります。
ＣＰＵ（central processiing unit 中央演算
処理装置）を、最終計画の８万８１２８個まで、
増設して、前回より、１．３倍の高速化に成功
したものです。

１９９０年代には、日本は、アメリカと並び「スパ
コン大国」と呼ばれながら、徐々に、存在感が
失われて今や、ＩＢＭなどのアメリカ勢が過半数
のシェアを占めています。
ですから、自分ばかり、目立ちたがりの民主党の
女性議員が、ヒステリックに「２位じゃだめなんです
か」と叫んだとおり、２位じゃだめなんです。
日本の産業全体の国際競争力を取り戻すためにも
「京」は重要視されているのです。

開発のメーカー「富士通」は、これまで、年２００億円
程度である現在のスパコン事業を１０００億円まで、
増やす計画です。
この「京」の技術を活用した普及器を開発し東京大学
から、５０億円の初受注を受けたと発表しました。
１０年間なかった輸出も検討中とか。
日本製のスパコンとして、この計算速度だけでなく、
長時間動かしても故障しない安定性、消費電力の少なさ
理論性能に対する実行効率、すべての面で優れている
のです。
来年１１月の本格稼動後、企業にも貸し出される予定で
製薬会社では、新薬や新素材の開発、自動車会社では
衝突実験、走行試験をすべてスパコンの中の仮想空間
で行えるようになるのです。

ただ、開発競争はさらに激化しつつあり、アメリカのＩＢＭは
毎秒２京回の計算速度をもつ「セコイア」を来年中に開発の
予定です。
また、数年後には、今の１００倍の速度をもつ次世代機が
登場することも予想されていますし。

果てしなく続く開発競争ですから、今の優勢な位置を無駄
にせず、次につないで「１位」をキープしてほしいものです。