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こたに医院 の日記

人民元。

2011.11.22


中国を取り巻く国際環境が、当然のことと
して、一層、厳しくなってきました。

世界2位のGNP、経済力を背景を背景に
人民解放軍の船舶や航空機を増強、東南
アジア諸国の国境侵犯し続けて、国際紛争
の火種を撒き散らしていますが、それと共に
対中国の貿易赤字に苦しむ米国を中心に、
交渉のまないたに上げつつあるのが、人民
元問題です。

都合に合わせて、たとえば、アフリカなどの
新興国相手には資源目的の経済先進国の
顔、また、欧米や日本などの先進国相手には
後進国の顔をして見せる、まるでコウモリさん
のような不思議な中国ですが人民元に関して
中国政府が為替相場を管理しており、現時点
では、不当に「元安ドル高」に設定され続けて
いるのです。

今でも、そういった奇妙な通貨ですが、時代を
遡って、自分の中国体験を思い出します。
今の「経済爆発」さらには「北京オリンピック」
の開催も決定する前の中国の話です。
大学の研修医で、ちょうど、麻酔科の夏休みに
ありついた自分でしたが、当時、クレジットカード
のほとんど通用しない中国旅行でしたのに、
国内で両替できた「人民元」はほんの少しでした。
で、ようやく、上海の空港で買えた、高いレートの
人民元は「外国人専用」でした。
それでも、食べたり、ものを買ったりしてのお釣りは
普通の人民元。
変だと思う以上に、政府の通貨政策の歪みを感じ
ました。
これでは、ダメなのです。

江戸時代に、勘定(会計)役のサムライが、夜道、川
の中に、一文銭を何枚か、落としました。
すると、そのサムライは供の者にわざわざ薪を買って
来させて、明々と川底を照らし、そのビタ銭を探させた
といいます。
後日その話を聞いた同僚のサムライがそれを嘲った
ところ、当のサムライは答えました。
「金は天下の回りもの」
つまり、彼の言いたかったのは、社会インフラとしての
通貨でありその価値を担う銭や一分銀、小判なのです。
ですから、誰の損や得の問題ではないのです。
(さっき、この「金は天下の回りもの」をインターネットで
検索したところ「金はひとところに留まっていない」とか、
「金は天下でなく『殿下(裕福な層』だけで回っている」
とか、書かれていて、びっくりしました。インターネットは
独りよがりを野放しにする、ホント、怖いものです。)

先日、バリ島で、米国のオバマ大統領と中国の温家宝
首相の緊急首脳会談がありました。
その中では、南シナ海の安全保障問題と並んで、以前
から懸案の「人民元の切り上げ問題」が話し合われました。
巨大な貿易赤字に悩む米国が今の不当な「人民元安」の
是正を求めたものです。
確かに、今の時点で「人民元」を実勢相場に乗せたら、
中国の輸出業が一気に減速するのは明らかでしょう。
でも、より広い視野で見れば、中国国民の資産価値が
上がるのです。
社会インフラとしての通貨は、政府のものでなく、人民の
ものであるはずです。
少なくとも、選挙を経ない政府のものではないのです。

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