こたに医院 | 日記 | 「選択」の科学。

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こたに医院 の日記

「選択」の科学。

2011.11.27


スーパーのジャム売り場で、試食販売をしたところ
24種類のジャムを並べたときは、6種類のジャム
を並べたときの10分の1しか、売り上げがなかった
とか。
よく考えてみると、不思議なこと。
それは、何故か?と考えるところから、盲目のインド
人女性研究者シーナ・アイエンガーは「選択」をキー
ワードに世の中のできごとを考え始めました。

それが、米国のコロンビア大学のビジネススクールで
一番、人気のあるという講座です。
「選択」という行為を軸に人間の行動を解析、予測して
いくというのです。

今、NHK教育テレビで、日曜日の夕方6時から(自分の
お気に入り番組「笑点」のあとです)放送中です。
とても、面白かったのです。
彼女の著書「『選択』の科学」は、かなり前に買って、斜め
読みしただけですが、素晴らしい才能の持ち主です。
人の人生の中で「選択」というものが、どれほどの価値・
チカラを持ち得るか、説得力のある説明でした。

この話を、逆の角度から見て、書かれたものが、精神分析
の創始者ジーグムント・フロイトの弟子のエーリッヒ・フロムの
「自由からの逃走 the escape from freedom」でしょう。
第1次大戦の敗北後、共和国憲法として、当時としては、
先進的な人権を認めた「ワイマール憲法」を制定したドイツ
国民が、なぜ、ヒトラーの台頭を許したか、とか、人びとが
時に、自由を重荷に感じて、時に、そこから、逃げ出して
より窮屈な、束縛の多い状況を招くことの原因を分析した
精神分析的社会学の名著です。
そのフロムの考えを、一層、有意に発展させたのが、彼女
アイエンガー教授の研究だと思うのですが。

例えば、食べ物や栄養の点で、野生の動物より、ずっと、
恵まれているはずの動物園の動物たちの寿命が短いのは、
「選択」の余地を与えられていないためだという研究は、この
国、この日本の人たちにとって、重要な視点だと思うのです。
この「動物園」ような国に住む人たちにとって。

いかがでしょうか?
日曜日の夕飯を、NHKの教育テレビを見ながら、など。
見るか、見ないかも、あなたの「選択」ですが。

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