こたに医院 | 日記 | 消費税問題。

この国の消費税問題が紛糾しています。
与党の民主党は、前回の総選挙当時、
消費税を引き上げないというマニフェスト
を掲げ、自民党から政権を奪取しました。
それは、当時の与党、自民党が消費税の
引き上げを広言し始めていたからでした。
政治家というのは、認知症の年配者並み
に、数時間前のことは、忘れてしまい他人
事にしてしまう、不思議な人種のようです。
自民党も、民主党も、差異はありません。

さて、この消費税問題には、依然として、
いくつかの落とし穴が覗いています。
その一つが、消費税の引き上げより前に
政府や官僚、いわゆる「お上」は十分に
ぜい肉を落としているのか、ということ
です。
国家公務員宿舎の無駄遣いが、テレビや
マスメディアで取り上げられたりして、
国民感情を逆撫でしましたし、仕分けの
パフォーマンスにも納得がいきません。
みんなは、すべての予算を削ってみせろ
なんて思っていません。
ただ、苦労して払った税金の、納得のできる
使い道を見せてほしいのです。
だから、あの宇宙探査機「はやぶさ」に何の
価値があるのか、国民の生活にどう役立つ
のか、なんて、誰も聞きません。
夢もまた税の使い道として、容認できるから
です。

消費税のもう一つの問題は、いわゆる税の
「逆進性」です。
これは、収入の多い人からは、率の上で、より
多くの税を取らなければならないという、現代
政治のセントラルドグマ（中心公理）からの
呪縛でしょう。
多くの先進国、例えば、EU各国では、消費税は
２０％に達していますが、基本食品、たとえば、
パンやミルクなどは、非課税です。
そんな複雑な税制ではありません。
ただ、初めに、いくつかの食品を非課税にして、
半年か１年に１度、見直しする制度を作ればいい
のですから。
「給付付き」などという、ややこしい仕組みよりも。

それよりも、前に、いったん、現状の消費税のまま
そして、赤字国債も発行しないと、このくらいの
行政サービスしかできませんよ、として、一年、
全国民がガマンの国家予算を組んで、実施して
みせて、その上で、消費税と国債発行について
国民の総意を問う選挙でもしてくれた方がいい
のではないでしょうか？
そんなに、難しいことではないでしょうに。