こたに医院 | 日記 | 伊達直人、再び。

「なんだか、しんどい」「少し、休みたい」そんなときの「街の保健室」です。

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こたに医院 の日記

伊達直人、再び。

2012.01.10


小学校の入学シーズンの前、ランドセルを
送るタイガーマスク、今年も現れました。
で、やっぱり、うれしいのです。
自分の名前で、プレゼントすればいいのに
なんとなく、シャイで照れ屋な人が、漫画の
主人公になぞらえて、自分の善意を実現
する。
それで、いいのです。
たくさんの「伊達直人」が、この国中にいる
という事実が、心の中で、じんわりうれしい。
その「伊達直人」たちだって、それぞれの
リングで戦って、傷ついて、そうして、得た
お金でランドセルや文房具を買っているの
です。
働かずに、親のお金で「伊達直人」する人、
なんて、想像できないですし。

自分は、小学校から、ずっと京都の公立校
でしたし、児童擁護施設にいる同級生も
結構、いました。
中に、武器として、手の爪をナイフのように
伸ばしているハヤシ君という子もいました。
もう、すっかり、いいオヤジになっているで
しょうが、その当時は、その施設の中でも、
いじめられていtのだろうと思います。
施設での食事も、強い子に掠められていた
mたいだったし。
原因は忘れましたが、そのハヤシ君と、喧嘩
したことがありました。
ハヤシ君の武器は、その爪。
なぐることや蹴ることもなく、ただ、相手の手や
足をつかんで、爪を立てて、相手が痛くなって
降参するのを待つのです。
痛かった。
でも、顔を見たら、こちらをにらんだりせずに、
むしろ、必死な面持ちで目を閉じているのです。
どちらかと言えば、オドオドして。
同じ施設の、大柄のグリッとした大目玉の親分
格が「ハヤシ、やってしまえ。」とか言いました。
爪は、つかまれた手に食い込んで、血が出て
来ました。
自分は、これは、時間の勝負だと思いました。
その喧嘩は、休み時間の教室、それも前の
黒板のところだったので、根比べして、勝てる
と思ったのです。
ハヤシ君の垢だらけの爪は痛かったけど。
案の定、次のチャイムが鳴って、親分格が
「ハヤシ、話せ。先公が来る。」の一言で
ハヤシ君は手を離しました。
喧嘩の勝負は、引き分け。
でも、それから、その施設のグループに一目
置いてもらえるようになりました。
その施設の他の連中が、弱いものいじめして、
消しゴムやお菓子を取り上げようとするのを
止めても、親分の秘密兵器のハヤシ君の爪に
耐えた自分には、楯突きません。
今から思い出したら、施設の子どもたちは、皆
寂しかったんやろなって、分かります。
文字通り、心も胃袋も、ハングリーやったんやな
って。

児童擁護施設は、今もあります。
親がいなくなったり、育児・保護放棄したり、虐待
したりしたら、児童相談所の判断で収容されるの
です。
法的な根拠は「児童福祉法」です。
寂しいハヤシ君たちの、一時の避難所なのです。

その後、彼らの消息は知りません。
ハヤシ君は、どこかの暴力団の使い走りやってる
って、一度、聞いたことはありましたが。
お互い、いい年になって、一体、どないしてるんで
しょうね。

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