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「なんだか、しんどい」「少し、休みたい」そんなときの「街の保健室」です。

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こたに医院 の日記

アフガニスタンでは。

2012.01.12


アフガニスタンの戦況が混迷する中、
おどろくべき映像が、ネットに流出しま
した。
アフガニスタンの兵士を射殺した米兵が
死体に向かって、放尿しているのです。
タリバンに対する、過剰な恐怖心の幼稚
な裏返しとしては、あり得る行為でしょうが、
死者に対する冒涜行為としては、宗教を
問わず、許されるべき行為ではありません。

アフガニスタンのカイザイ大統領とタリバン、
その両方から、「非人道的」との非難が上がり
米政府に徹底的な調査と兵士の処分を求めて
います。
当然のことです。
けれども、自分は「非人道的」というより、別の、
意味でより強く非難されるべきだと思うのです。
ただ、その言葉が見つかりません。

何と言うか、人道以前、もっと、原始的な悪
を感じるのですが?
この不快感の根源にあるもの。
街のチンピラが、弱い者いじめをして、最後に
「pee on you! (おしっこ、かけてやる!)」
というのは、最悪の蔑み(さげすみ)でしょう。
映画の中で、見た覚えがあります。
幼稚ですが、何か、根源的な軽蔑、やられた
側からすると、徹底的なダメッジです。
糞尿を介して、他者に対し、それ以上はない
ほどの蔑みを表現しているのです。

そう、勝敗のつく戦いであれば、勝者は、敗者
に対して、十分の敬意を表わすべきでしょう。
場合によっては、逆の立場であった可能性も
あった訳ですから。
それが、生死を分ける戦いであれば、一層の
こと。
生き延びた勝者は、亡くなった敗者に、最大限
の敬意を払うべきなのです。
その点、放尿という侮蔑でしか、死者に対する
気持ちを表現できなかった米兵は、この戦争の
正義の不在を表わしていると考えざるを得ません。
人間相手なく、まるで、動物の殺戮のような戦争。
かつて、ハンターとしての自身についても、作品を
残した同じアメリカ人のアーネスト・へミングウエー
が聞いたら、どれほど、悲しみ、どれほど、激怒した
ことでしょう。

さらに、もう1点。
この行為が、画像として記録され、インターネット上
で、公開されたという事実です。
つまり、これは、誇らしく、戦利品のように、画像に
なったということなんでしょうか?
その点も、恐ろしく、身震いします。
その感性や、歪んだ勝利感。
この、おぞましさは、一体、何でしょうか?
インターネット自体が、このような感性を助長して
いるのだとしたら、そのことにも、恐怖を感じます。
つまり、もし、インターネットがなかったら、こんな
行為に及ばなかった可能性だってあるからです。
戦死者に対する、放尿を通して、この兵士は、米
国民に、何を伝えようとしたのでしょう?
そう、問題設定をすると、改めて、気になる課題
ではあります。
 

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