こたに医院 | 日記 | ディズニーランドとひげ。

６０年たって、初めて、米国のディズニー
ランドの従業員の「顎ひげ」が認められる
そうです。
でも、「口ひげ」は、やっぱり、まだ、ダメな
そうで、一体、何が違うのでしょうか？
そして、日本の東京ディズニーランドは、
相変わらず、従業員の「ひげ」は一切、
禁止だそうです。

自分は、国家試験後、この仕事に就いて
以来、ずっと、ひげを生やしています。
医学部の最終学年、６回生は、ほとんど
臨床実習で、大学の付属病院にいますが
その際のドレスコード「服装・外見規定」が
、特に、男子学生には、ありました。
それが、

１）必ず、ひげを剃ること。

２）革靴を履くこと。（スニーカー禁止）

３）白ワイシャツ（死語？）にネクタイ着用。
　　（ジーンズ禁止）

の３点でした。
大抵いつもＴシャツにジーンズ、スニーカーの
お気楽学生にとっては、なかなか、窮屈な
ものでした。
その後、医学部を３月に卒業して、医師国家
試験。
発表は５月。
研修先の病院や医局にもよりますが２ヶ月間
最後の「執行猶予」期間があります。
いろいろな過ごし方がありますが、自分は当時
夢中だった、オペラとスペインの闘牛が観たくて
２ヶ月間、ヨーロッパの貧乏旅行に出かけました。
Ｔシャツに、サンダル履きで、バックパックで。
５月に帰国して、翌朝、そおっと、朝日新聞を
見ると、医師国家試験の合格者の中に、自分の
名前があったので、大学の医局に電話したら
「アホ！何、のんきなこと、言うてんねん。他の
みんなは、官報、見て、昨日から来てるぞ。」
と、いきなり、怒鳴られました。
さて、２ヶ月のお気楽貧乏旅行で、ひげはボー
ボー、髪の毛も伸び放題です。
思わず、医学生時代の習慣で、洗面台に行き
シェービングクリームを頬や口の周りに、塗り
かけました。
が、そこで、ふと、考えたのです。
「もしかして、今日、ひげを剃らずに済んだら、
ずっと、このままでイケルかも？」
ネクタイも、革靴も、同じでした。
で、結果は、セーフ！
そもそも、そんな新入りの医者のことなんて数の
内に入っていなかったんです。
で、それ以来、ひげは伸ばしたまま。
そう言えば、当時タクシーの運転手さんで、ひげを
生やして解雇され、裁判を起こしてはりましたっけ。
そんな時代だったんですね。
今や、世の中、ひげ自体は趣味の問題で当たり前。
まあ、そんなに白い眼で見られることはなくなりました。
けど、ディズニーランドはまだまだ別世界なんですねえ。
ちょっと、しみじみしてしまいます。