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こたに医院 の日記

インフルエンザ。

2012.01.28


関東のいくつかの病院で、職員
患者間で、インフルエンザの院内感染
が発生して、患者の死亡例が報告され
ています。
寒さと乾燥が揃って、体調を崩して。
大抵、外部と行き来する職員や見舞い
客がウィルスを持ち込むのです。

全身倦怠感に、高熱、そして、咳に鼻水。
もともと、元気な若い患者さんだったら、
そんな症状が1週間も続けば元気になる
でしょう。
最近のインフルエンザの治療薬の吸入
薬の「イナビル」なら、2日もすれば、元気
になってしまいます。
でも、糖尿病や栄養障害など、基礎疾患が
ある年配者の場合、その先、合併症の肺炎
が続き、命に関わる状態になります。

ですから、この時期は、高熱の患者さんは、
もちろん、まだ、熱の出ていない患者さんでも、
入院の時には、とても、気を使います。
インフルエンザ以外でも、急性腸炎の原因の
ノロウィルスも、うっかり入院させると、爆発的
な院内感染を引き起こします。

さらに、入院以外、外来でも、用心しないと、
待合室で、ウィルスをもらうことも、多いの
です。
この時期、病院や診療所は、病気の「交換所」
みたいなものですから。

そして、最近は、先に書いた「イナビル」が大きな
問題になっているのです。
初めて、内服薬のタミフルが出てきたときも、5日分
処方しても、3日も飲めば、熱が引いて、楽になって
「すごいな」って思いましたが、今主流になりつつある
イナビルは、インフルエンザの確認後、1回、吸入した
だけで、1日半もすれば、解熱して、子どもなら、走り
回っています。
で、お母さんは、つい、学校に行かせてしまうのです。
その結果は、当然のようにインフルエンザの集団感染。
感染後1週間は他者への感染性が残っているからです。
病気そのものは同じでも、人や集団との関わりの中で
病気の仕組みや働きが変わってきているのです。

診察室で、一通り、診察が終わって、さて、という時、
時々「で、(自分は)風邪、引いてますの?」と聞く患者
さんがあります。
この「風邪」というのは、医者が使ってはいけない言葉
だと思っています。
なぜなら、あまりにも、使われすぎていて、意味の薄い
言葉になってしまっているからです。
人によっては、アレルギーからの「鼻炎」も風邪。
「肺炎」だって風邪のこじれたのだし、インフルエンザは
たちの悪い流行り風邪ということになってしまいます。
それよりも、鼻炎は鼻の粘膜、肺炎は肺胞の含気量の
低下、そして、インフルエンザは呼吸器のウィルス感染。
どれも、風邪といえば風邪。
でも、風邪という言葉では、何も説明できません。

年によっては、夏前まで続く、インフルエンザ。
基本は、うがいに手洗い。
それ以上に、無理して、疲れ過ぎないように、お大事に。

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