こたに医院 | 日記 | 大雪。

昨年末からの雪は、相当のもので、各地の
積雪記録を塗り変える「豪雪」となりました。
「豪雪」で有名な、東北・北陸に、中国地方の
日本海側。
３メートル以上の、湿った、重い雪が、住宅を
押し潰してしまいそう。
住んでいるのは、年配の方がた。
昔なら、村中で、互いの家の屋根の雪下ろし
をしたのです。
村は、ずっと、そうして、冬を乗り越えて来たの
ですが、その村民の結びつき「結（ゆい）」がすで
に消えつつあるのです。
雪の降る前からの独り暮らしの年配のおうち
が多いのです。

時には、暖かい日もあったため、融けた雪が、
また、冷えて凍りつき、その氷の上に降った雪
が、雪崩れを起こします。
屋根の上の雪も、まるで、雪崩れのように、滑り
落ちて、家のまわりにいた人を傷つけます。
先日も、おじいちゃんのうちに遊びに来ていた
５才の女の子が亡くなりました。
落ちてきた屋根の雪から、３才の弟をかばって。
下になった弟は、無事でした。
哀しい出来事です。
もし、昔のように、村中が助け合って、雪下ろし
できていたら、こんな哀しいことは起こらなかった
と思うといたたまれない気持ちになります。

確かに、この雪は、春には、豊かな水源となって
この地域の主要な産業である稲作に貢献します。
ですから、雪の少ない冬は、翌春の農業用水が
心配です。
けれども、やはり、程度の問題。
人間の都合ばかり、いいようには、雪も雨も降ら
ないのです。

鎌倉幕府の三代将軍、源実朝は、政治の面では
北条家の傀儡でしたが、優れた歌人でした。
その実朝が、征夷大将軍として、血を吐く思いで
歌った歌があります。
それは、大雨で洪水に苦しむ民を思い、天候を
支配する竜王に向かって、歌った歌です。

時により
過ぎれば
民の嘆きなり
八大竜王
雨　止めたまえ

この雪に向かって、そう祈る現代の権力者がいる
といいのですが。
冬はまだまだ続き、雪は根雪になって、どんどん
積もり続けます。
早く、春が来ますように。
待ち遠しい日々です。