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こたに医院 の日記

柔道事故

2012.02.07


柔道は、格技の中でも、体の接触も多く
落下時の頭部や頚部への衝撃も強い
競技です。

文部科学省の誰が言い出したのか、
やはり明らかに右傾化、偏向と思わ
れるのですが、中学校の武道教育を
必須にするというのです。
子どもの頃から、ずっと剣道少年だった
自分としては、夢中にはなっていても、
体育の授業で必須にされると押し付け
がましくて、反発してでしょうね、たぶん。

武道の選択肢としては、他に、剣道でも
相撲でもいいとのことですが、剣道なら
防具や竹刀の準備が馬鹿にならないし
相撲なら土俵が要ります。
で、柔道着だけで、あとは畳で済む柔道
になるらしいのです。

ところが、問題はそんなに簡単ではあり
ません。
何より、指導者である体育教師のほとんど
が、柔道の未経験者で、受身を含む、実技の
指導ができないし、安全面の対策も不十分
なのです。
保護者の不安は、どんどん強まっています。

学校のクラブ活動での死亡事故では、総数では
柔道は4位程度ですが、競技人口あたりの死者
は、ダントツ1位で、2位以下の他の競技の4-5
倍なのです。
そして、日本では、柔道のクラブ活動内での死亡
事故が、十分、検証されていず、受身ができていて
後頭部を直接強打されていなくても、頭蓋内出血
する症例も多い事実が放置されていました。
脳と外側の硬膜を繋いでいる橋静脈からの出血を
起こす「加速度損傷」です。
強い揺さぶりが繰り返されるだけで、起こるのです。

今や、日本よりも柔道人口の多いフランスでは、柔道
指導者は、国家資格で、競技やルールは無論、解剖
から、救急医療まで、要求され、実際、制度ができて
からの死亡事故はないそうです。

今回の武道必須化、いったん、見送ってもいいでしょう。
十分の準備が整うまで。

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