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こたに医院 の日記

ストレステスト。

2012.02.13


管前首相が、突然としか言いようのない
タイミングで言い出した、原発の「ストレス
テスト」ですが、勝手に一人歩きを始めて
かえって、混乱を招いています。

本来の目的は、原発の周辺住民の不安
を解消するためのはずでした。
実際の原発に、ストレスをかける訳にいき
ませんから、このストレスはコンピューター
上のシミュレーションです。

例えば、会社や国家の財政が健全かどうか
を調べる「健全性検査」としての役割があり
ます。
「通貨相場が10%上昇」とか、「株(国債)が
20%下落」とかの仮の不利な条件を設定し、
その結果、会社なら収益、国家なら経常収支
赤字の対GDPを「算出」して、会社や国家の
健全性を判断評価する根拠を株主や国民、
他に提供し、安心を確保する手段なのです。
その「不利な条件」を、ストレスと呼びます。
最近では、NY連邦準備銀行が、BP(イギ
リスの国際石油資本・ブリティッシュ・ペイト
リアム)の破綻を仮定したストレス・テストを
実施したことがありました。

今回は、原子力発電所の安全性について
ストレステストを実施すると政府が表明した
ことが、問題になりました。
具体的には、想定外の地震や津波、テロ
リストの攻撃、飛行機の墜落などの「不利な
条件」を設定し、原発施設の設計に基づき
コンピューターシミュレーションを行います。
EU諸国では、あらかじめ、共通の条件が
設定されていて、その結果を公表することが
義務づけられていて、不合格だった場合は、
自国民や他のEU諸国への説明責任が問わ
れます。
当然のことでしょう。
けれども、世界的な影響を与えた「福島第一
原発」事故後は、EU各国の原発に対して、各
電力会社の提出したストレステストの結果の
評価を「評価基準が十分でない」「検査期間が
短い」などの理由で、7割の国で評価の先送り
となっています。

日本では、関西電力が、福井県大飯原発の
ストレステストを実施し、政府に提出しました。
その前後、原発の「寿命」を40年とする「原子
力規制関連法の改正案を、閣議決定しました。
担当大臣も、運転開始後、40年超の原発の
再運転はあり得ないと明言しています。
これが、今回のストレステストの評価が「二重
基準(double standard)」として、非難される
こととなりました。
つまり、政府のご都合主義だとされているのです。
そのため、訳の分からない「一次評価」「二次評価」
という段階分けが、国内原発のストレステストに、
加えられました。
そして、今回のテストを「妥当」とした経済産業省
原子力安全・保安院の一次評価に対して、内閣府
安全委員会によって「まだ明らかにされてない、
福島第一原発の事故原因や問題点を踏まえた」
上での二次評価を待つものとするとの判断を示し
ました。

その判断は原子力安全委員会の、いつもの「玉虫色」
の「逃げ」と考えられますが、何よりもっと大きな観点が
脱落しています。
それが、「住民の意向」です。
本来、このストレステスト自体が、住民の安心のため
だったことが、皆、忘れてしまっているのです。
実際、住民は大反発しています。
運転休止中の浜岡原発の再開について、経済産業
省の官僚に乗せられて「安全宣言」を「勝手に」出した
とする前大臣の海江田某の欺瞞は、茶番としても、今
は、政府として、もう一度、住民の納得を得る努力を
続けるべきでしょう。

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